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水産業界あれこれ


【水産業界とは】

水産業界には海・河川や沼などの漁場に生息・養殖している魚介類を捕える漁業、
その魚介類を缶詰・冷凍品など、消費者に販売する形に加工する水産加工業などがあります。

同じ水産業界でも、漁業が一次産業、水産加工業が二次産業にあたります。

【水産業界の職種】

■事務職
人事・総務・経理財務など

■漁業
漁場で魚介類を捕える漁を行う

■生産
魚介類の加工・管理を水産加工場で行う

■開発
水産加工商品の研究・開発を行う

■マーケティング
商品のPR活動や市場調査などを行う

■営業職
自社の商品を小売店や飲食店などに売り込む

【水産業界の現状と今後】

水産業界の生産量は近年、横ばいからやや減少傾向にあります。
要因としては、資源そのものの減少や日本人の食事の欧米化に伴う、魚介類の消費低迷にあります。
2020年の新型コロナウィルスの流行による影響は水産業にもあり、
外食産業が低迷したことによって、業務用商品の売れ行きが落ち込みました。
逆に家庭用商品は伸長しましたが、安泰とは言えない状況です。

食の欧米化によって、国内の魚介類の消費量は減少傾向にありますが、
反面、海外における魚介類の需要は高まっています。
今後も拡大するであろう海外市場に向けて、いかに輸出量を増やしていけるかが鍵となりそうです。

【水産業界の課題】

■人手不足
水産業の中でも特に人手不足が深刻なのが漁業です。
重労働で天候などにも左右されやすいこともあり、年々減り続けています。
同時に漁業者の高齢化も進んでおり、双方深刻な問題になっています。

■スマート漁業
漁業でもAI化は進めらています。
漁業活動の管理や漁場の情報収集など、より生産性を上げる目的で推し進められています。
加えて、新たなビジネスチャンスの創出や、新規就業者の呼び込みにも繋がると期待されています。
ただ、まだまだ課題も多く、これからに期待されています。

■漁獲量の減少
温暖化の影響などにより海流が変わり、これまで安定して獲れていた魚介類の漁獲量が減少しているものもあります。
漁業への影響はもちろん、魚介類がなければ商品が作れない水産加工業への影響も大きく出ています。

【総括】

日本人の食の欧米化は年々進んでいます。
もちろん個人差はありますが、一昔前ほど食卓に魚料理が並ぶことは無くなったのではないでしょうか?
朝食もパン食の増加などで、魚の開きや鮭が出ることも減ったはずです。

漁獲量の減少だけではなく、そもそもの消費量の減少はかなりの痛手です。
業界としてみると、非常に厳しい現状と言えます。
ただ国内市場は厳しい見通しでも、海外市場はこれからも拡大していく見通しです。
ここに活路を見出し、日本の一次産業・二次産業として発展をしていく必要があります。