私は18歳まで北海道岩見沢市で生まれ育ち、31歳で再び生まれ故郷へ戻るまで道外で暮らし働いていました。住んだ場所は北海道→東京都→埼玉県→愛知県→兵庫県です。高校は地元の普通科を卒業し、大学へ進学後は社会福祉学を専攻しました。正社員は現在の職場で3社目となります。居住地だけではなく職務経歴もバラバラです。知的障害者の小規模作業所→フリーター→専門学校生→IT企業→現職となります。現在の会社は祖父母が創業し私の父が2代目社長を務めた後に、私が社長を務めております。様々な業界を経験したメリットもありますが、一つの業界を技術力で生き残ってこなかったコンプレックスもあります。

私自身が一つの業界を技術力で生き残ってこなかったコンプレックスから、逆説的に社員へ対するリスペクトを強く抱いております。私自身も現場に関わり業務を進めていく上で、常に社員から助けられています。私が生まれる前から勤務している社員もおり、同族経営の中小企業にありがちな社員が社長を子どもの頃から知っている状況です。それにも関わらず必ず立場を考えて接していただき、必死に業務へ取り組んでおります。言葉や文字にする以上に簡単なことではないと感じております。それを愚直に体現し技術を磨き続けている社員を、私は心からリスペクトしております。

私は30歳を超えて父親が経営する会社に入社しました。それまでは父親と全く関係のない業界に就職し、生計をたてておりました。ある程度の社会経験を積んでから、跡取りとして入社しました。自らの意思とは関係なく周りからボンボンと言われることは理解しておりました。しかしどれだけ業務に携わっても認められず、親や会社の名前を出されていました。いつしか理解していたはずのボンボンに不満が募っておりました。そんな自分を解放してくれたのは、過去の自分と私が所属していた青年会議所という団体でした。「戻らなくても生活に困らなかった過去の自分」と「本物のボンボン」に会えたことは、私を一歩前に進ませてくれるものでした。

「踏み出すべき一歩を、踏み出す」私はこの言葉を大切にしています。ありふれた言葉に見えるかもしれませんが、自らの人生や価値観を振り返り自ら考え創り出した言葉です。実際は踏み出した後に後悔のしない道へとしていくことが大事だと考えています。しかし踏ん切りがつかない中、自らの意思で一歩前へ進むことは心身ともにエネルギーのいることです。判断に用いる情報量が足りない場合を除き、なんだかんだ決められないのは不確実さに対する怖さがあるからだと考えております。だからこそ迷いながらも自らで決断と行動を行える自分でありたいし、自分なりの一歩を踏み出したと思える人が増えれば世の中はまだまだ面白くなると考えています。

私たちは地域調査と地域の未来を描くプロフェッショナルです。年齢は関係なくプロフェッショナルな技術者であるためには技術を磨き続けなくてはいけません。それが踏み出すべき一歩を、踏み出そうとしている人の土台を創り続けることにつながるからです。ピラミッドを作っていた時代には既に測量や設計の技術はありました。それから道具の革新に伴い、少しずつ形を変えて現代も大切な仕事となっています。日本国内の測量業社は18年連続で減少を続けています。それだけ地域を調査し未来を描くプロフェッショナルが減っている、若しくは必要性をなくしているのが現状です。今後もより良い未来を創るためには技術を磨き続けることが大切です。

弊社の主たる業務は公共事業です。つまり現状では役所等との関わりが不可欠となります。民間とは異なり行政と業務を行っていく上で、意思決定のスピードやルールに戸惑うこともあるかもしれません。しかしサービスを届ける相手に独自のルールがあるのは、行政でも民間でも変わりません。我々の仕事は自らが住み暮らす地域を行政という立場で守る機関と、技術力で地域の安心安全を提供する弊社が協働することで地域の未来を創っております。我々がいなければ地域で安心して暮らすことができないという矜持をもって、自らの身体とお金と時間を投資していただけると幸いです。

私自身が様々な業界を経験し、この職場で働いています。どうか未経験や知識不足でご自身のご興味やご関心を留めないでいただきたいと考えております。弊社の見学はいつでも可能です。またWEBの活用等による面談も行っております。まず我々の業界に興味をもっていただいたことが喜ばしいし、個人的にはカッコいい所もある業界だと是非お伝えしたいです。近年ではドローンやレーザースキャナーを用いた3Dの活用を代表的な例としてPC業務が主流になりつつあります。もちろん現場に行かなくては分からない状況もあり、屋内にいるだけでは完結しない業務です。上記に限らず今まで培ってきた経験や知識が必ず何か活かせる会社です。

弊社は現在、測量と設計を主軸に業務を行っています。この業務は今後何十年、何百年と記録が残る業務です。実際に40年以上前に亡くなった創業者が手掛けた業務について、顧客から問い合わせが近年でもあります。地域を測るということは、地球を測るということです。地域の未来を描くということは、地球の未来を描くということです。自らが携わった業務が未来の地球を創り続けるというのは、この業務の大きな魅力です。公共事業を主に行っているため、人口減少による市場縮小は確実にあります。しかしピラミッドを作っていた時代から使っている技術がなくなる未来は、まだ想像できません。一緒に地域と地球の未来を創っていきましょう。